特別区(大田区 内定) 合格
早稲田大学 第一文学部 Y・Oさん
★公務員を志望した動機
多くの人の役に立つ仕事をしたい、と考えたのが公務員を志望するきっかけでした。
とはいえ、元々は民間企業に就職する気でいました。しかし就職へのヴィジョンがあまりに漠然としていた上、就活のやり方もよく分からず手探りでやっていたので、夏を目前に控えたころになっても内定がありませんでした。反面採用募集のある企業は減る一方で、ただ焦りばかりが募っていました。
そんな昨年(2009年)6月のある日、ふと「公務員という選択肢もあるな」と思いついたのです。考えてみれば公務員ほど“多くの人の役に立つ”仕事はありません。人が産まれて出生届を出すところから、老人になって受ける福祉サービスに至るまで、およそ人間が生活する上で公務員が関わらない場面はないのですから。公務員の仕事について調べれば調べるほど、「これ以上自分の希望に沿った職業があるだろうか!」と、僕の中ではコロンブスの卵並みの発見をしたような気分になっていました。
ではどうして公務員が最初から選択肢に入っていなかったのかというと、親が現職の公務員で祖父も曾祖父も公務員、という公務員一家への反発があったからです。これは自戒の念も込めて書きますが、余計な見栄や思い込みは早い段階で捨てた方がいいです。そんなくだらないものに振り回されて、自分の中で納得のいかない職場に就職してしまってはきっと後で後悔することになります。
話がやや脱線しました。
特別区を希望したのは、住民にとって身近な立場から彼らの暮らしを支えていきたいと思ったからです。僕は大学時代、宅急便のアルバイトや音楽サークルの活動を行ってきました。その中でお客さんに感謝されるとモチベーションが上がる自分に気がつき、公務員の仕事でも住民と直に接する機会が多い方が実のある仕事が出来そうだと確信したのです。中でも特別区はもっとも住民に密着した自治体の一つであり、都心に愛着があったこともあって迷わず第一志望に選択しました。
こうしてみると我ながら平凡な志望動機だなーと思いますが、大切なのは志望理由よりも、その理由に行き着いたプロセスにあると思います。きちんと自分の経験に立脚していれば、そこから導き出された志望理由がどんなに平凡なものであっても自信を持って主張できるはずです。
★予備校選び
出来る限り生講義を受けたいというのと、入塾前に某大手予備校で体験講義を受けたときに、受講生が多すぎて講師との距離を感じたことから、少人数クラスで授業を行う予備校がいいと考えていました。
喜治塾という名前は生協で資料を見るまで知りませんでしたが、「少人数・生講義中心」ということで自分に向いているかもしれないと思い、体験受講を受けた上で入塾を決めました。
喜治塾は講義のクオリティの高さはもちろんのこと、大学や仕事が忙しく予備校での勉強に割ける時間が限られていても、事務の方々が独自のカリキュラムを組んでくれるので最大限生講義に出席することが出来ます。また大学に近く通いやすいことも決め手になりました。通いやすさは予備校選びの上で意外と大事なポイントです。
★勉強開始から合格まで
喜治塾に通い始めたのは試験前年の6月でしたが、その頃はバイトとサークルがまだ忙しく、講義に出るだけで自習時間はほとんど取っていませんでした。本格的に勉強し始めたのは12月も後半に入ってからです。その時点で他の受験生と比べてかなり進度が遅かったので大いに焦ったのを覚えています。
筆記試験の勉強は大半が喜治塾特製テキストと問題集を繰り返しこなすことに費やされました。先生方は「問題集は最低でも3周はまわせ」とおっしゃっていたのですが、時間が足りず、2周行かずに試験当日を迎えた科目もあります。準備は早く始めるに越したことはありません。時間は絶対足りなくなります。自分が苦手だと思う分野ほど早めにつぶすのが吉です。
試験直前になるまでテキストの復習で一杯一杯だったのですが、それでも3月からは過去問を解き始めました。過去問をやるときのポイントですが、試験本番のペース配分に慣れる意味でも、時間を計って問題を解くのが良いです。最初にやってみると、普通に解いていたら時間が足りないことが分かるはずです。なにしろ科目数が多いので、過去問を繰り返し解く中で自分にあった攻略順を見つけておくことはかなり大切です。
5月から6月にかけては試験本番が続きます。併願状況によっては毎週試験があることも珍しくありません。勉強に割ける時間はどうしても少なくなるので、この時期には新しいことを覚えずに、今まで解いた問題の復習をしていました。それから体調管理には一番気を配りました。どんなに遅くとも1時前には就寝するようにしていました。
7月に入るとだんだん面接が始まります。塾長が「筆記試験対策にかけた時間と同じ分だけ、面接対策にも時間と情熱をかけるべきである」とおっしゃったことに納得し、空いた時間はとにかく自己分析や模擬面接を行っていました。この時点で選考が進んでいたのは特別区だけだったので、落ちたらまた秋からやり直しか……という不安に駆られつつ、この不安を打ち破るには何が何でも面接試験に通れるように準備をするしかない!と自分を奮い立たせ、必死で対策しました。人とコミュニケーションを取る機会を増やすためにアルバイトを再開したりもしていました。
8月になると周囲でぽつぽつと内定をもらう人が出てきて「自分はまだか……」と焦りが出てきます。そんなときにじっとしていては焦りが募るばかりなので、少しでも時間をプラスに使うように行動していました。僕の場合は希望する区の散策に行ったり、友達と模擬面接や模擬集団討論をしあったり、塾生OBの公務員の方々から話を伺ったりしていました。それでも不安でどうしようもなくなったり「少し疲れたな……」と思ったときは飲みなどにも行っていました。適度な息抜きが大切なのは言うまでもありません。
★勉強法
基本的に塾でもらった授業レジュメと問題集を繰り返しやっていました。余計な参考書を買わなくても、先生方に言われたとおりにレジュメを繰り返し復習すれば合格に必要な力がつきます。
分からない部分があったら、どんな些細なことでもすぐに先生に聞くようにしていました。先生方はどんな質問でも丁寧に答えてくださいます。安くないお金を払って通塾しているのですから積極的に先生方を活用しないと損です。また自分の苦手科目が得意な人と知り合いになっておくと、気軽に聞けるし、仲も深まるので一石二鳥です。僕の場合は民法と経済が苦手だったので、ロースクール出身の塾生や金融関係の企業に勤めていた人に聞いていました。
それから特別講習(冬期講習など)や直前対策講座は出るべきです!特に直前対策は、授業内でやった範囲がそのまま本番の試験で出たりして目からウロコでした。
とにかく、分からないことや出来ないことを恥ずかしいと思わないことが大切です。不安要素を残したまま本番を迎えて問題が解けずまた来年…となってしまうことのほうがずっと恥ずかしいです。
塾で配布されたもの以外に使った参考書を一応あげておきます。
・図解雑学 世界の歴史(ナツメ社)
・高校の地図帳(新詳高等地図:帝国書院)
・入門 マクロ経済学(日本評論社)
→大学で経済学を学んでいなかったので、副読本として購入しました。けっこう難しい内容だったので、勉強がよほど進んでいる人以外は、これを買うより授業をきちんと復習する方がいいと思います。
・論文試験 頻出テーマのまとめ方(吉岡友治著:実務教育出版)
→教養論文対策に購入。学生の立場ではなかなか考えられない経済的な側面からのアプローチが多く、参考になりました。
★その他
僕の場合、とにかく書かないとすぐに忘れてしまうので、筆箱の中に大きめのふせんを常備して思いついたことをすぐに書くようにしていました。例えば民法の争議関係の図とか経済の公式とか、その日の勉強予定など。
それから家で勉強するとすぐに怠けてしまうので毎日塾の自習室に行くようにしていました。朝の9時半から夜の9時まで利用出来るので、年明けからは朝一で来て閉室ぎりぎりまで粘るという風にして勉強のリズムを作っていました。そうすると一日10時間は勉強できます。また自習室を使っている人同士で友達も作りやすいです。自習室で知り合った友達とカラオケに行ったりもしていました。
これ、一番強調したいのですが、塾でつくった友人は是非大切にしてください!!!!最終的に心の支えになるのは友人です。
喜治塾に集まる人たちは皆とても意識が高いです。不思議なくらいです。目標が同じだから本音の話だって出来ます。僕自身、「たぶんこの人とは一生のつきあいになるんだろうな」と思える塾での友人がけっこういます。どんどん友人を作ってみてください。
友達をつくるのが苦手な人は(僕もそうです)、ラウンジでゆっくり昼食を食べてみたりすると、きっと誰かが声をかけてくれるはずです。それでも難しいと思う方は塾のイベントに参加してみるといいでしょう。OB方も参加していることが多く、他の人と話すきっかけをつくってもらえたりします。
あ、友達と仲良くなりすぎて塾のラウンジで大騒ぎしてしまわないよう注意して下さい。他の受験生の迷惑になってしまったり、時には反感を買ってしまって受験生同士でぎくしゃくしてしまうこともあります。他人へ自然な気配りが出来るかどうかは公務員になる上で、それ以前に社会の一員としてやっていく上で大切な資質です。
★勉強中の皆様へのメッセージ
正直言ってしまうと、僕はみなさんにアドバイス出来るほどの人間ではありません。何故なら僕は典型的な「失敗しそうな受験生」だったからです。せっかくプランを組んでいただいたにも関わらず生講義に出席できないことが続き、復習も遅く、気がついたら自他共に認める、合格から一番遠い男になっていました。そんな俺でもギリギリまで諦めないことだけは最後まで徹底していました。
最後まで諦めず、自分を信じてあげられるくらい頑張ることが出来れば必ず合格出来ます。大丈夫、皆さんならきっと内定をもらえます。内定獲得後にも「君のことは本当に心配だったんだけどね……」って塾長に言われてしまう僕でさえ合格しているんですから。 |