公務員試験Q&A
Q. 公務員試験の時期はいつ頃からでしょうか?
A. 5~7月に1次試験が実施されます。
大学生・大卒者が受講する試験の多くは、5~7月に1次試験が実施されます。7~8月に2次試験が行われ、8~9月上旬に最終合格発表があります。通常は翌年4月の採用となりますが、既卒者の場合10月、11月採用もあります。また、市役所試験の多くは9月に1次試験が実施されます。(ただし、2015年から試験日程が少し変わり、一次試験の時期は6月頃からになりつつあります。)
Q. 試験勉強の開始時期はいつ頃からでしょうか?
A. 1年くらいの期間をかけてじっくり学習するのがベストです。
最近の公務員試験受験生は非常によく勉強をしているため、かなり高いレベルで合否が決まります。ゆとりをもって上位で合格するためには、1年くらいの期間をかけてじっくり学習するのがベストです。ただ、多忙な学生生活や、転職などの状況により学習を開始できる時期が遅れたとしても、最低4~5ヵ月の集中学習で間に合わせることが可能です。まずは、思い立ったときに早めにご相談ください。
Q. 民間企業か公務員か迷っています。
A. 民間の就職活動と公務員試験は両立が可能です。
実際に喜治塾には、旅行代理店や放送局、保険会社などの人気企業の内定をもらいつつ公務員試験に合格した人が何人もいます。公務員試験の学習を早めに開始することで、試験直前期にゆとりができ、民間企業への就職活動が可能になるのです。
Q. 大学2年生から試験勉強を始めるのは早すぎますか?
A. 早過ぎるということはありません。
最近の公務員試験は、専門科目ではあまり差がつかず、教養試験や論文・面接が非常に大切になっています。数学や英語、文章を書く力など基礎学力が不足していると感じている人は、特に早めにスタートを切ることをおすすめします。喜治塾の「2年合格コース」は、1年目に民法または経済と数的推理を学習し、2年目にその他の科目と<上級ゼミ>で、確実な力を身につけます。
Q. 既卒だと不利ですか?
A. 公務員試験は、受験できる年齢の枠に入っていれば、その中で有利不利はありません。
公務員試験は、受験できる年齢の枠に入っていれば、その中で有利不利はありません。むしろ就職や地域活動などの経験がプラスに評価されます。また、最近は受験年齢の上限を引き上げる傾向にあり、多種多様な人材を求めています。多くの方が受験する国家一般職試験は、29歳まで受験でき、ラストチャンスで受験をした喜治塾の塾生も見事志望先から内定を得ています。
Q. 転職を考えていますが、仕事を辞めないと合格は無理ですか?
A. 受験する試験をしぼり、学習する科目を少なくするなどの対策がとれます
勉強だけに集中できればベストですが、そうはできない方のほうが多いでしょう。仕事の両立は大変ですが、受験する試験をしぼり、学習する科目を少なくするなどの対策がとれますので、まずはご相談ください。
Q. 喜治塾での受講を考えていますが、曜日の都合が合いません。
A. 具体的な条件を教えていただければ、あなた用の受講プランを組み立てます。
ご覧いただいているスケジュール表で時間が合わない曜日がある場合、他のクラスの講義と組み合わせて受講することも可能です(要相談)。また、ビデオフォローが無料なので、欠席しても安心して受講を進めていただくことができます。
Q. 教養科目の勉強方法を教えて下さい。
知能系科目
教養科目は、「一般知能」「一般知識」の2つの分野があります。知能分野は以下の4科目ですが、出題数が多く、試験によっては知識は選択制で、知能は必須解答制というものもあり、教養科目の中でも重要視されています。
- 文章理解…現代文と英文読解が中心。古文・漢文の出題が入る場合もある。
- 資料解釈…グラフや表から情報を読みとる出題。
- 数的推理…速さや濃度、確率など数学の知識がいる出題。
- 判断推理…論理式、暗号などの文章題と、展開図、軌跡などの空間把握の出題。
勉強のポイント
「数的推理は数学ではない」は、大きな勘違い!
「数的推理は、数学ではない。わざわざ『推理』としてあるのが何よりの証拠だ。だいいち1問3?4分という時間制限の中で解答しなくてはならない教養試験では、数学的に解いていたのでは間に合わない。だから数的推理のセンスを磨かなくてはいけない」というようなことが言われています。
しかし、これは間違いです。
数的処理の3つのレベル
数的推理の過去問をみていくと、大きくわけて3段階のレベルに分けることができます。
レベル1
まず第1レベルは、約数の個数を求めさせたり、速さの公式を当てはめれば答えが出てしまうような問題。これらの問題は、単純に小中学校で習った(主には小学校)算数・数学の基礎事項や公式を知っていれば解答できる問題です。例えば、[速さ]×[時間]=[距離]という公式をあてはめれば解けるような問題。これらの問題への対策は、忘れてしまっている知識を思い出し、多少の問題練習をしておくことで十分です。
レベル2
レベル2は、単純に数学的に公式に当てはめて、方程式をたてても答えが出ないように仕組まれている問題群。未知数の数に比べて、式が1本足りないために、そのままでは答えが出ないようにしてあります。ただ、それ以外の条件が問題文の中に仕込まれていて、それを使えば、いくつか可能性のある答えの中から一つに特定できるというもの。ここは多少知恵が必要です。しかし、一つの答えに絞り込む方法をいくつも覚えておけば、本番ではその中から当てはまりそうなのを探し出していけば、解答が導けるようになるでしょう。
レベル3
レベル3は、これは普通の受験生が手におえる問題ではありません。これらの問題は解ける人はほとんどいませんから、合否には関係ありません。
つまり、レベル1、頑張ってレベル2までできるようにしておけば十分なのです。決して裏技や早業テクニックを探して求めることではありません。
知識系科目
知識系の科目は「人文科学」「社会科学」「自然科学」の分野から出題されます。世界史・地理・物理など様々な科目があり、どれも1?3問と出題数が少な目です。教養科目については、歴史が得意な人、数学が得意な人など様々ですから、人によって学習レベルが異なります。高校の教科書を取り出して勉強する必要のある人もいるでしょう。
また文系の人の多くは、理系の科目を苦手にしますが、はじめから切ってしまうというのも得策ではありません。できる限り全科目の準備をしておくのがよいでしょう。
- 人文科学…世界史、日本史、地理、 思想、文学芸術
- 社会科学…政治、経済、社会
- 自然科学…物理、化学、生物、地学、 数学
勉強のポイント
必要なのは、時事の視点
公務員の仕事は、みんなが今よりも少しでも幸福を感じられるような世の中をつくっていく仕事です。今よりも、より良くなるような政策を提案・実行していくには、現代社会で起こっている様々な事柄に興味を持ち、敏感に反応でき、そしてそれを読み解くための基礎的知識、歴史的背景を十分に知っている必要があります。それゆえに、公務員試験では、今の社会で起こっている事件や事象に関連する知識(歴史的背景など)が聞かれる傾向があります。一言でいえば、時事問題ですが、それは、「時事問題」「社会事情」という科目で聞かれるだけではなく、日本史、世界史や地理、国際関係や思想の問題として出題されたりします。
たとえば、アメリカで大統領選がある年は、大統領制や大統領選挙の仕組みの問題が社会科学等で出題されますし、日本で総選挙があればやはり選挙制度の問題が出されています。オリンピックがあった年はその国に関する問題が地理で出たり、「○○戦争××周年」「○○生誕××年」という時期にも、その出来事や人物に関する歴史問題が出たりします。
これは教養論文でも同様で、地震が起きた翌年には災害対策のテーマが出題されたり、NEETが社会問題として騒がれた翌年にはNEETの問題が出題されています。
普段からニュースに敏感になり、日々の勉強も、現代の世界との関わりを意識しながら進めることが大切です。
Q. 専門科目の勉強方法を教えて下さい。
法律系科目
法律科目の中で中心となるのは、行政事務職の場合は「憲法」「民法」「行政法」です。試験によっては「労働法」「商法」「刑法」の出題もありますが、比重が大きいのは先の3科目です。中心となる法律科目は、試験の種類によっても異なり、裁判所事務官なら「憲法」「民法」「刑法」、外務専門職員なら「憲法」「国際法」と、職種に合わせた法律の科目が出題されます。
法律系科目の勉強のポイント
暗記よりも理解。
まずは「法律は暗記するもの」という誤った固定観念を捨てることが必要です。では、暗記ではなく何が必要なのでしょうか。それは理解です。これはどの法律科目についても言えることですが、まず何よりも当該法律の基本理念(原則)をしっかりと理解することから始めなければなりません。理解をすれば、応用がきくようになります。
理解にもレベルの差があります。曖昧な理解では、そこから導いた推論も誤ってしまいます。理解を深めるには、幅広い教養、とくに歴史の素養が必要になります。
たとえば、憲法で出てくる「自由主義」や「民主主義」といっただれでも知っている概念こそ、「何となく分かる」というレベルで満足していてはだめです。その意義を歴史的背景とともに正確に把握しておくことが、学習のスタート時点で重要になってくるのです。
理解のためには整理が必要。
法律学が難しく感じられるのは、似たような抽象概念が次々と出てくるところにあります。人間の頭脳は、構造上、似たものを取り違えやすいので、そのたびに混乱が生じてしまいます。この混乱を避けるためには、知識をきちんと整理してから理解する作業が必要です。
整理のために必要な武器が、法律の体系です。例えば、憲法は大きく分けて人権と統治という分野からなり、民法上の財産権には物権と債権という区別があります。物権にも本権と占有権があり、さらに本権には所有権と制限物権、担保物権があるというように、法律はすべてツリー状の構造体でできあがっていますから、この骨組みを理解した上で、細かな知識を肉付けしていくことになります。
個々の条文は法律全体の中に位置づけられて初めて意味を持ち、他の条文と有機的に関連し合いながら、全体の中での役割を果たしていくのです。
ひたすら暗記。
さて、理解をした後で必要になるのが暗記作業です。勉強が進むにつれ、暗記すべき知識の量は雪だるま式に膨らんでいきます。一度覚えても、必ず忘れます。忘れないようにするためには、二度、三度と繰り返し覚えるしか方法はないのです。
今日学んだことは、今日覚える。この心がけで毎日講義を復習していれば、厖大な知識もそれほど苦労せずに身に付きます。くれぐれも「暗記は直前に」などと残しておかないことです。
自分の頭で考える
実際に問題を解く時には、必要以上に知識に引きずられてはいけません。法律学を学ぶ目的は、単に知識を身につけることにあるのではなく、未知の問題に対して自分の基本的な知識を推論して、適切な処理ができる能力を身につけることにあるからです。したがって、たとえ量的には少なくても、きちんとした基礎知識をしっかりと理解して記憶していれば、その考え方を応用して知らない問題を解くこともできるようになります。
10のあいまいな知識よりも1の確実な知識を身につけるようにしましょう。
経済系科目
経済系の科目は、「経済原論」「財政学」「経済政策」「経済史」「経済学史」などの科目を合わせて、かなりの問題数が出題されます。埼玉県などの地方上級(関東型)では50題中19題が経済系の科目です。また、科目選択制の国家一般職試験では、これら経済の科目を習得することで解答科目の6科目中3科目(「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「財政学・経済事情」)を選択することができます。
経済は勉強を始める前から拒否反応を示す人も多いですが、経済を学ぶか学ばないかで、受験できる試験の幅が大きく変わります。最低限、基礎レベルだけでも学習することをおすすめします。
経済系科目の勉強のポイント
出題分野
公務員試験の経済系科目では、経済原論(理論)を中心として、財政学、経済政策、経済学説史、経済史、経済事情といった分野から出題されます。実際には、この他にも経済学という範疇からすると、金融論、国際金融論、公共経済学、国際経済学、貿易論、経済史、世界経済論、統計学といった分野にまで及んでいます。ただし、出題の基本は経済原論が中心で、その他の分野については、ある程度、理論の応用という形で学習することができます。
要するに、理論の部分を基礎からしっかりと身につけることが、公務員試験で出題される経済系科目の問題を解くための効率のよい学習につながります。
その理論、すなわち経済原論は大きく「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」に分けられています。
ミクロ経済学
ミクロ経済学とは、経済活動をミクロ的な視点で(微視的に)捉えようとするもので、消費者の消費活動や生産者(企業)の生産活動、また、政府による公共財の提供や課税のあり方など、個別の経済主体の行動を理論的に見ていきます。
また、個別の市場(需要と供給から成り立っている市場)で、例えば車や農産物や衣料品などの生産物価格がどのように決定されるのか、といったことを分析の対象とします。まさに市場経済における分析の基本ともいえる需要・供給分析は現実経済における価格の動きを理解するうえで、とても有益な分析道具となります。さらに市場原理をはじめとするミクロ経済理論は、現実経済における規制緩和や貿易問題、課税のあり方などの経済問題に応用されています。ミクロ経済学での主な項目は以下のとおりです。
- 消費者の合理的行動(需要曲線の導出)
- 完全競争的企業の合理的行動(供給曲線の導出)
- 市場均衡と効率的資源配分(パレート効率)
- 市場の失敗(外部性、公共財など)
- 不完全競争企業の行動(独占企業や寡占企業など)
- その他(貿易論、ゲーム理論など)
マクロ経済学
マクロ経済学とは、一国経済の動きを全体として(巨視的に)捉えようとするもので、国内総生産(GDP)や国民所得、失業率やインフレ率など一国全体の景気の判断材料を、さらには対外的な貿易や資本取引などを分析の対象とします。そこでは、一国の経済活動水準を決定する要因が考察されるとともに、重要なマクロ経済問題である不況(したがって失業)やインフレーション・デフレーションに対処するための経済政策(財政政策・金融政策)、そして対外的には貿易政策や為替政策などについての理論が構築されています。こうした理論に基づくさまざまな経済政策は、そのときの経済状況をふまえて現実経済においても採用されています。マクロ経済学での主な項目は以下のとおりです。
- 国民経済計算
- 一国の経済活動水準の決定(国民所得モデル)
- 民間需要の決定(消費関数、投資関数)
- 政府部門の活動と財政政策
- 対外的取引(輸出と輸入)
- 貨幣市場均衡と金融政策
- 国際経済と国際金融
- 経済成長論
- 景気循環論
行政系科目
行政系の科目は「政治学」「行政学」「社会学」を中心に、「経営学」「国際関係」などの科目があります。これらの行政系科目も、多くの公務員試験に必要な科目です。
行政系科目の勉強のポイント
法律系科目との違い。
法律学が現実の社会について制度的・規範的側面からアプローチするのに対して、政治学や行政学はより現実的・実態的側面からアプローチするという違いがあります。
また、法律学が既存の法制度を前提とするために、自由な発想や革新性に限界があるのに対して、行政系科目はよりダイナミックで、価値創造的です。ただしその分、学者間で共有する体系や概念に乏しく、学問的洗練度は法律学に劣るとも言えます。
こうした違いから言えることは、行政系科目では概念や理論の厳密さが法律学や経済学ほど要求されないため、アバウトな理解や暗記でも十分対応できてしまうということです。そこから、専門科目の中では楽勝科目とも言われています。
法律学と連携させて理解を深める。
制度と社会的現実とは、相互に影響を及ぼしつつ浸透し合います。そこで、制度を扱う憲法・行政法と、社会的現実を扱う政治学・行政学とは、学問的にも交流があり、近接した関係にあります。ですから、この4科目をできるだけ相互に関連づけながら学習すれば、互いに理解を深めることができます。
時事と世界史の知識
政治学も社会学も現実の問題を分析する道具ですから、時事問題と絡めて出されることがよくあります。ところが、普段から政治や社会に興味を持って新聞やニュースを見ている学生は意外と少ないのが現状です。現に成績優秀な学生の中からさえ、保守と革新の違いや、右翼と左翼の違い、ブルーカラーとホワイトカラーの違い等々について質問が出るのです。
思い当たる人は、今からでも遅くはありません。日々、世界や日本で起きているニュースに関心を持ってください。そして新聞等で知らない時事用語が出てきたら「現代用語の基礎知識」等で調べて、少しずつ語彙を増やしていくことです。
もう一つ、行政系科目の学習にあたって盲点となるのが、世界史の素養です。
政治学・行政学・社会学の3大科目では、さまざまな学説や、制度、概念を理解することが勉強の中心になります。そして、学説、制度、概念というものは、必ずと言っていいほど、時代背景や社会状況を反映しています(これを存在被拘束性という)。つまり、「世界史=時代背景」の学習をすることなしに、学説や概念を深く理解することはできないということです。
学者の暗記
行政系科目は他の科目に比べ暗記の要素が強いと言われます。主要3科目では、全部で150人ほどの学者とその学説を理解・記憶しなければなりません。たとえば、ウェーバーのようにいくつもの科目にまたがって顔を出す学者もいますし、リースマンとリップマンのように似た名前や、同じ名前だが別人の学者もいます。数が増えれば増えるほど混乱も増すので、面倒でも出てくるたびに自分なりの記憶法で暗記をしてしまいましょう(自分が知っている外国人アーティストやスポーツ選手と結びつけて覚える等)。
一通り学習が終わったら、学者を一覧表にまとめて、学説内容と合わせて何度も繰り返し記憶することが必要です。その際、学者や学説の相互的関連性にも注意して、なるべく有機的に把握する。これができれば、学習は半分以上終わったも同然でしょう。