今日は、板橋区役所がおこなっている高齢者対策をひとつ紹介しましょう。
高齢になり、認知症になっても、地域で安心して暮らせる街にしようという試みです。
特別な施設や専門家を配置していくのではなく、
街中の小売店、飲食店、薬局、理美容、銭湯など接客の多い、区内事業所の事業主や従業員の方々
は高齢者と接する機会も多い。そこせ、このお店の方たちに、認知症について正しく理解してもらい、偏見を持たず、認知症の人を温かく見守る応援者として、できる範囲でささえてもらおうという作戦です。
お店の方々に「高齢者あんしん協力店」となってもらうために、
認知症サポーター養成講座を開催し、認知症は誰にでも起こりうる病気であることを知ってもらい、
「お店の中を不安そうにウロウロしている場合は、『何かお手伝いすることはありませんか?』とやさしく声をかける」、
「計算間違いや高額紙幣のみの支払いをしようとしている場合は、急がせず、相手のペースにあわせる」
など、認知症の方への具体的な対応方法を学んでおいていただきます。
受講した事業者のうち、協力店となることに同意した店には
「認知症サポーターがお手伝いします! 高齢者あんしん協力店」
と記された
「高齢者あんしん協力店」ステッカーを渡し、
事業所内の目に付くところに掲示してもらうとともに、板橋区のホームページに掲載します。
これがそのステッカーです。職員の方がデザインしたそうです。
役所がまちのあちこちに専門家を配置することは予算的にも不可能です。地域の問題を地域の支え合いの中で解決していく方法を探っていくしかないのです。
こういう講座をやります! と制度を作っただけでうまくいくものではありません。お店の方のご理解をえるためにもいろいろな苦労があるはずです。
いろいろな苦労も乗り越えながら、板橋区全域にわたって100件を超えるお店にこのステッカーがはられています。
高齢者の方々にとっては、このステッカーがはってあれば、安心して入れます。
地域のみなさんを巻き込んで、高齢者を支え合う社会をつくっていくために奔走する素晴らしい仕事ですね。
いい仕事ですね。やってみたい! ですよね。
こういう政策を展開するのは、区役所、市役所のお仕事です。
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