ずいぶんの間、ご無沙汰してしまいました。
都庁、特別区の1次試験が終わり、私もほっとしました。
いろいろ心配・不安だと思いますが、
頑張りましょう。それしかありません。
ところで、以下の記事をみなさんに紹介したいと思い
久しぶりにブログをあけました。
喜治塾で警察官を目指す人たちも勉強しています。
ほんとに大変な仕事です。こんな記事がありましたので紹介します。
産経新聞4月26日付夕刊(大阪)1面、『22歳女性巡査 市民守った』から。
愛知県内の交番に勤務する女性巡査が夜、女性通行人の後ろを歩く不審な男を発見した。男が視界から消え、女性の悲鳴が聞こえた。巡査は男を取り押さえようとするが、顔を2発殴られた。追いすがる。再び2発殴られた。転倒した。鼻血がぼたぼた流れ、制服は血だらけになった。
それでも巡査は立ち上がり、走った。逃げる男の首に飛びついた。「警察だ! 待て!」。男は観念し、「もう逃げません」。警戒対象の連続わいせつ犯だった。
巡査の鼻は折れていた。155センチで細身の巡査に対しわいせつ犯は170センチ、70キロの23歳。20キロ近い体重差で殴られたというのに、萎えない彼女の気迫はどこから出ているのだろう。「けがは警察官として未熟だったからです」。手術を終え、職場復帰した巡査には苦い経験があるという。
配属されて間もなく、職務質問すべき少年に逃げられた。数百メートル追ったが、引き返した。どこかに「男の足には追いつけない」という思いがあった。上司に見透かされていた。「女の足では無理と思ったのか。それで市民を守れるのか」。女だから、と甘えていた。心底、自分を恥じた。ただならぬ気迫の源はここにあったのだ。
警察官が抵抗する犯人を捕まえる。危険でも立ち向かう。当たり前の職務だろう。だが受益者の私たちは「当たり前」に胡坐をかき、えてして「治安のコスト=警察の努力」を忘れがちではないだろうか。
こんなことがあった。バブルのころ、東京の高級住宅に拳銃を持った男がお手伝いさんを人質に立てこもり、銃撃戦になった。人質は射殺され、警官が撃たれた。犯人は自ら喉を撃つ凄惨な事件だった。
拳銃を人質に突き付けながら家を出て車で逃げようとする犯人に、警視庁は門の上などに刑事を配置。陰から消火器を噴射して犯人をひるませ、取り押さえる急襲策を練った。犯人が撃ってくる危険が強い。ベテラン刑事の一人が「私にはできない。家族がいるので」と拒否した。弱気にのまれた刑事など、起用するわけにいかない。
急襲策と並行し、警視庁は犯人に人質交換を申し入れた。人質役を命じられた26歳の女性巡査長は「分かりました」と言った。スカートの彼女に上司は「すぐにズボンを買ってこい」。彼女が戻ったのは1時間も経った後で、上司は「遅い!」と怒った。彼女は「すみません」と言うのみ。
実は買い物後、郷里に電話していた。人質になったら殺されるだろう、親の声を聞けるのは最後-。その思いが彼女を公衆電話に向かわせた。遺言のつもりだった。
現場に戻った彼女はその後4時間待ち続ける。「婦警をそちらに行かせる。だから人質を解放してくれ」と同僚が電話で犯人を説得するのを聞きながら。犯人は交換を許さず、結局、彼女の出番はなかった。
「片やいい年の男が『できない』。片や26歳の女が『撃たれる』という思いを押し殺し、じっと出番を待っている。何をかいわんや、です」(当時を知る元刑事)
愛知の女性巡査は本紙記者に語った。「目の前で同じ状況があれば、他の警官も同じ行動をとったはず。私は当たり前のことをしただけです」。低次元の不祥事が頻発する警察へ批判は多い。が、その一方で全国の名もなき警察官が、愛知の女性巡査のように殴られたり、かつての警視庁巡査長のように死の恐怖に迫られても愚痴ひとつこぼさず、手柄を自慢するわけでもなく、粛々と仕事している。安全の陰にはそういう警察官がいる。彼らの存在を私たちはもっと大切にし、敬意を払っていい。(大阪編集長・井口文彦)
愛知県内の交番に勤務する女性巡査が夜、女性通行人の後ろを歩く不審な男を発見した。男が視界から消え、女性の悲鳴が聞こえた。巡査は男を取り押さえようとするが、顔を2発殴られた。追いすがる。再び2発殴られた。転倒した。鼻血がぼたぼた流れ、制服は血だらけになった。
それでも巡査は立ち上がり、走った。逃げる男の首に飛びついた。「警察だ! 待て!」。男は観念し、「もう逃げません」。警戒対象の連続わいせつ犯だった。
巡査の鼻は折れていた。155センチで細身の巡査に対しわいせつ犯は170センチ、70キロの23歳。20キロ近い体重差で殴られたというのに、萎えない彼女の気迫はどこから出ているのだろう。「けがは警察官として未熟だったからです」。手術を終え、職場復帰した巡査には苦い経験があるという。
配属されて間もなく、職務質問すべき少年に逃げられた。数百メートル追ったが、引き返した。どこかに「男の足には追いつけない」という思いがあった。上司に見透かされていた。「女の足では無理と思ったのか。それで市民を守れるのか」。女だから、と甘えていた。心底、自分を恥じた。ただならぬ気迫の源はここにあったのだ。
警察官が抵抗する犯人を捕まえる。危険でも立ち向かう。当たり前の職務だろう。だが受益者の私たちは「当たり前」に胡坐をかき、えてして「治安のコスト=警察の努力」を忘れがちではないだろうか。
こんなことがあった。バブルのころ、東京の高級住宅に拳銃を持った男がお手伝いさんを人質に立てこもり、銃撃戦になった。人質は射殺され、警官が撃たれた。犯人は自ら喉を撃つ凄惨な事件だった。
拳銃を人質に突き付けながら家を出て車で逃げようとする犯人に、警視庁は門の上などに刑事を配置。陰から消火器を噴射して犯人をひるませ、取り押さえる急襲策を練った。犯人が撃ってくる危険が強い。ベテラン刑事の一人が「私にはできない。家族がいるので」と拒否した。弱気にのまれた刑事など、起用するわけにいかない。
急襲策と並行し、警視庁は犯人に人質交換を申し入れた。人質役を命じられた26歳の女性巡査長は「分かりました」と言った。スカートの彼女に上司は「すぐにズボンを買ってこい」。彼女が戻ったのは1時間も経った後で、上司は「遅い!」と怒った。彼女は「すみません」と言うのみ。
実は買い物後、郷里に電話していた。人質になったら殺されるだろう、親の声を聞けるのは最後-。その思いが彼女を公衆電話に向かわせた。遺言のつもりだった。
現場に戻った彼女はその後4時間待ち続ける。「婦警をそちらに行かせる。だから人質を解放してくれ」と同僚が電話で犯人を説得するのを聞きながら。犯人は交換を許さず、結局、彼女の出番はなかった。
「片やいい年の男が『できない』。片や26歳の女が『撃たれる』という思いを押し殺し、じっと出番を待っている。何をかいわんや、です」(当時を知る元刑事)
愛知の女性巡査は本紙記者に語った。「目の前で同じ状況があれば、他の警官も同じ行動をとったはず。私は当たり前のことをしただけです」。低次元の不祥事が頻発する警察へ批判は多い。が、その一方で全国の名もなき警察官が、愛知の女性巡査のように殴られたり、かつての警視庁巡査長のように死の恐怖に迫られても愚痴ひとつこぼさず、手柄を自慢するわけでもなく、粛々と仕事している。安全の陰にはそういう警察官がいる。彼らの存在を私たちはもっと大切にし、敬意を払っていい。(大阪編集長・井口文彦)
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