公務員試験 論文2 塾長ゼミ

つづき

論文が苦手、書くことが浮かばない、何を書いていいかわからないひとのための「論文ゼミ」です。

 

職務を進める上での課題解決に向けた取組について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて論じてください。

 

営業マン編

新規顧客をどう開拓していくかというのが、営業に課せられた課題である。この課題を解決するために日々どういう取り組みをしているかについて述べる。

新規開拓する営業のスタイルにもいろいろとある。なかには、一人ひとりの営業マン自体がライバル同士として競わされるような会社もあるようで、そういう会社では仲間同士でも自分の手の内は知らせないということもあるらしい。しかし、わが社では「チーム力」を大切ににしている。仲間にも手の内を見せないいうようなやり方ではなく、むしろお互いの情報やテクニックなどを共有しながら、チームで新規顧客をつかんでいく方法をとっている。

具体的には、毎日、その日の営業であったことを報告しあう夕礼を行っている。そこでは、その日にあったことをかなり詳細に報告する取り組みをしている。例えば、「今日、どこどこのAさんにこんな話を持ち掛けたけれど、今度こういうことがあるので今回はやめとくと言われました」と、顧客の言ったことまで事細かに報告するのである。それを上司や同僚が聞くことによって、「あれ?それはひょっとすると~~ではないか?そうだとすると、こっちのこれこれの方が売れる可能性があるかもしれない」とか「昔、同じような断られ方をしたけど、そのあとこういうことに結び付いた」などといろいろな話が出てくる。具体的に、相手先で言われたセリフまで報告し合うことが、意外な情報を引き出し、それが次回の営業活動につながっていく。「今日は何件回りました。結局1件しか興味持ってもらえませんでした」程度の報告では、そこまでいろいろな情報と有機的には結び付いていかないだろう。

情報を詳細に共有し合うことで、新たな発見があり、新規開拓に結びつけていくのである。詳細に話すと結構時間もかかるけれど、やみくもな飛び込み営業に割く時間を増やすよりは、こういう戦略会議にした方がよい結果を出せている。

「情報共有」が大切であることはだれでもどこでも言っていることであり、わかっていることではある。しかし、「情報」の中身について意識して、内容の濃い情報共有でなければ意味はない。そこまで徹底した情報共有をすることで新規開拓も目標を達成している。