特別区経験者採用 面接対策vol.3

土曜、日曜と朝早くから、夜遅くまで多くの受験生と模擬面接練習をしました。その中で、結構多くの人が陥っている点を指摘してみよう。

話の筋が通っていない

話の筋がとおっていない、もう少し固く言えば、話が論理的でない人が結構いる。

話の展開が通っていないと、聞いている方はがっくりきてしまう。例えばこんな感じ。

 

面接官:あなたの志望動機を聞かせてください。

受験生:私はいまSEとして働いています。下請け関連企業の一員として働いているため、最終ユーザーであるクライアントと顔を合わす機会はほとんどありません。それでは、人の役に立てているのかがよくわからなくて、やりがいが保てません。そこで、自分の仕事が相手にとって役に立っているという実感をもっと直接的に感じられるような仕事をしてみたいと思いました。相手の顔を直接みて、相手の要望にこたえていけるような仕事です。区役所の仕事はまさに住人の方々に対峙し、区民の方々の生活を豊かにしていく仕事です。

と、とうとうと話をした直後、こんな会話があったらどうだろう?

面接官「特別区にはいったらやってみたい仕事がありますか?

受験生「システムを構築し、業務を効率化する仕事についてみたいです」

面接官「???」

(おいおい、SE業務ではお客さんお顔が見えないから、もっと顔の見える仕事がしたくて転職活動しているんじゃなかったの!)

話がチグハグすると、聞いている方は、「あれ?」となってしまいます。

いろいろな志望理由があっていいし、やりたいことも一つである必要はないから、内容自体で良い悪いはありませんが、話が一貫しないと「あれ?」と思います。

上の例でも、たとえば

「地域の中に入り込んで、コミュニティを作っていく仕事が一番興味があります。ただ、とりあえずは仕事に慣れるまでは、一番得意とするSE業務を担当させていただければこれまでの経験を即戦力として生かしていけるとは思います」

という言い方ならば、「あれ?」とは思いません。

推察するに受験生諸氏は、

本当にやりたいこともあるけれど、経験者採用試験である以上、自分の経験が活かせる業務を言わないとまずいのだろうと思って、とりあえず自分の経験に合わせて話をしようとするあまりチグハグな話になってしまうのであろう。

しかし、SEをやるのであれば転職する必要はないわけですよね。「経験」が直接的に生きる仕事を「したい」必要はありませんよ。あなたの「経験」はいままで担当してきた「仕事そのもの」ができることだけではないはずです。経験を通じて、「人間関係の構築の仕方」「仕事の進め方」「人との距離感のつかみ方」などなどいろいろな経験を積んできているのです。

SE業務がこなせる人、などのようになにか具体的な業務のできることを要求している試験ではありません。要求されているのはそういう意味での「経験」ではないのです。

喜治塾 塾長 喜治賢次   ぜひ一度模擬面接を 喜治塾はこちら