<特集>

公務員試験2002年合格
今か
ら間に合うか


■結論から言えば、十分に合格できる。普通に合格できる

 「今から勉強をはじめて合格できるのか」大学生諸君からは、この時期この質問が多い。 就職活動を控え、様々なことを考え、公務員という選択肢に思い当たったが、試験勉強について調べての率直な質問であろう。
 公務員試験はたしかにたくさんの教養科目、専門科目にわたるハードな試験である。しかし、取り組み方さえ間違えなければ5ヵ月ほど集中的に勉強して合格できる試験である。また、公務員試験と一口に言っても種類がいろいろあり、それぞれ対策の立て方が違う。対策の立て方を間違わなければ合格できる。一番早い国家T種の試験が6月、国家2種試験が7月、市役所試験であれば9月の実施だから、まだかなりの時間があることがわかるだろう。
    
 この質問が多いのは、公務員を目指す学生が大学3年の春、夏あたりから勉強をしているのを見ているからだろう。しかし、合格するために必要な勉強量ということでいえば、先述のとおり集中的に勉強して5ヵ月くらいの分量である。
 この合格するために必要な勉強量を春から1年かけて取り組むか、今から半年でこなすかの違いだけである。
 今から始めるのであれば集中的にがっちりと勉強ができ、効率がよいともいえる。私の塾でも毎年、学年末試験が終わった2月から、その年の6月、7月の公務員試験を目指し勉強を始める学生のための講座を開講しているが、ほとんどの人が合格を果たしている。
 2月から始めると、塾での勉強も含めて1日8〜10時間くらいの勉強を毎日継続していく必要があるが、年内から少しでも準備をはじめておけば、もう少し精神的にゆとりを持って勉強できるだろう。
    
 前の年の春から勉強を始めているのは、たぶんに受験予備校側の都合が働いている。各予備校とも学生獲得でしのぎを削るあまり、とにかく早く学生を自分のところに呼び込もうとだんだんと開講時期を早めているのだ。 3年生の春から始めなければ間に合わないとあおり、学生を早めに獲得する。今では、1年生から始めるべきだと宣伝している予備校もある。合格するための勉強量を5ヵ月でマスターするか、1年、2年かけてマスターするか、それはどちらでも構わない。1年かけて取り組めば広がりや深みを増す勉強ができ、公務員としての素養に磨きをかけられる。
 これから始めるのであれば、集中的に一気にやらざるを得ないぶん全体の理解を得やすいともいえる。 ただし、効率よく勉強を進めないと半年でマスターすることは難しい。どういう方法で取り組めばよいかは、受験生一人ひとり違うので、個別に相談に応じるので訪ねてきてほしい。


■「間に合わせる」ためにどうすればよいかを考える

 「間に合うか、間に合わないか?」をいくら議論しても始まらない。公務員を目指して「間に合わせる」のだ。そのためにどうすればよいかを考えるべきである。 このことは、公務員の業務と非常に似通っているところがある。例えば、狂牛病について考えてみよう。
 公務員がその対策を立てるのに2年も3年もかけてはいられないことはすぐわかるだろう。原因がわからないからといって、2〜3年待ってくれというわけにはいかない。ともかくもわかる範囲の情報を集め、何かしらの決断のもと対策をとっていかなくてはならないのだ。 法律、経済、化学、生物など様々な問題が絡んでいることは容易に想像できるだろう。
 皆さんも同じだ。来年の6〜7月に試験があること、試験科目は決まっている。そんななか合格という成果をあげるために、どういう対策をとるのかが問われている。公務員として行政課題に取り組むときの練習だと思えばよい。
    
 もう一つ言っておこう。
 公務員試験は、多くの科目があり、とても大変な試験だ。では、なぜこんなにも多くの試験科目が課されているのだろうか? それは間違いなく、公務員の仕事をこなしていくためにどれもこれも必要な知識だからだ。法律や経済は誰でもすぐそう思うだろう。教養科目も同じだ。
 考えてみてほしい。教養のない人に私たちの大切な税金を預けて、行政を任せられるだろうか。歴史を知らない公務員が、歴史の失敗を平気で繰り返したらどうであろうか。理系科目はわからないと公言する公務員が、狂牛病対策の担当者だとしたらどうだろう。
 そうなのだ。社会で起きる様々な問題を解決していく公務員にとっては、あらゆる知識が必要なのだ。そのための基礎知識くらいは、公務員になる前に勉強をしておいてくれというのが公務員試験だと考えてほしい。


■社会人だから、年齢が高いからと、あきらめる必要はまったくない

 毎年多くの社会人が、会社に勤めてみて、やはり公務員がいいと公務員試験を受験している。そして、たくさんの人が合格している。
 毎年の統計が出ていないのではっきりとした数字ではいえないのだが、採用主体によっては採用されている半数近くは、転職組といってもいいくらいではないかと思う。年齢もみんな結構高い。新卒現役で入ってくるほうが少ないくらいではないだろうか。
 つまり、社会人だから、年齢が高いから……といってあきらめる必要はまったくないことを知ってほしい。がんばって採用されている人がたくさんいる。「会社をすぐにやめてしまうと、何ごとも続かない奴だと思われてどうせ採用されない」「もう26歳にもなっているからだめだ」等々、そんなことを採用側はだれも思ってはいない。 問題はあなたが本気で公務員になりたいかどうかだけだ。採用担当者は、本気で市民のことを考え、真剣に行政に取り組んでくれる人を採用したいのだ。 今の時点で、本気でそういう気持ちがあるのであれば、あとは試験勉強をするだけだ。必ず合格する。少なくとも、右のような理由で落ちることはありえない。
 現に多くの人が採用され、すでに公務員として働いている。つまらない言い訳をしていないで、早く勉強をはじめよう。
    
 仕事と勉強の両立は大変だ。しかし、両立できるか否かをいくら考えても意味はない。また、まず仕事を辞めてから……という人も多いが、そうではない。 とにかく勉強を進めるべきだ。仕事をしていれば限られた時間しかないのは分かっている。その限られた時間のなかで、どうすれば合格できるかを考えるべきだろう。
 仕事をしている方ならよく分かると思うが、仕事をしているといろいろな業務が同時並行的にのしかかってくるものだ。自分の本来の仕事になかなか時間が当てられないなどといいながら、何とかやりくりをしているはずだ。 勉強も仕事が一つ増えたと思って、何とかやりくりをしながら、とにかくスタートを切ろう。それが合格への近道だ。