喜治塾新聞72号(2004年9月27日発行) | |
特集【2004年度公務員試験 私の合格法(3)】 ●埼玉県庁、都庁II類合格 ----------------------------------------------------------------------- 2003年6月生 飯島広介さん |
埼玉県合格! 目標を明確にして勉強しました
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●6月〜12月
私はせっかく働くのなら人のために働きたい、せめて周りの人の生活だけでも良いものにし、その人たちを幸せにしたいと思い、そのために様々な取り組みを行うことができる公務員を目指すことにしました。そして先に公務員試験に受かった先輩の薦めもあって、喜冶塾で勉強を始めました。
前述したような甘い理想を持つような甘い人間だったので、なんとなく試験は大丈夫な気がして大学3年の12月の吹奏楽コンサートまでは好きな音楽を好きなだけやって、アルバイトもしていました。 そして空いた時間にちょこちょこと勉強をしていました。12月にはすべての教科の名前がなんとなくわかるかな、くらいのレベルでした。今考えると恐ろしい能天気ぶりだと思います。コンサートが終わり、いざ自分の進路を考えると、考えれば考えるほど公務員になりたくなってきました。ということで私は本格的に勉強をすることにしました。
●1月〜3月
本格的に勉強するにあたり、まず目指す目標をしっかりと決めることにしました。そして、やはり第1目標は愛着のある埼玉、埼玉県庁にすることにしました。そして第2目標はやはり憧れの都庁にしました。目標がしっかり定まればおのずとやらなくてはいけない科目が見えてきます。そうすれば勉強に熱が入ること請け合いなので、絶対に合格目標は立てたほうがいいと思います。
目標を立てた後は、ただひたすら勉強をしました。大学の授業以外、家にいる間以外は早稲田大学の図書館で勉強していました。ですから多い日は(週に2回程度)朝10時から夜10時まで、少ない日でも電車の中で暗記をするようになりました。
●専門科目の勉強
最初は私の受けるどの試験にも出てくる憲法、政治学、民法などから取り組みました。 何回もレジュメ(塾のテキスト)を見ているうちになんとなーく意味を理解することができるようになり、次に問題に取り組むことで段々とそれぞれの科目のキーワードなどが頭の中に入ってきました。このなんとなく分かった感じを得たら次の科目に向かうようにしました。
●教養科目の勉強
数的推理についてのみ、私は中学受験をしていたので得意でした。 しかしそれ以外はすべて苦手だったので、ゆっくりと勉強していきました。常識的な知識(有名な場所の名前、化学のいろんな名前、偉い人の名前などたくさん)が欠落していたのが分かったので、まずそれから覚えていきました。
私は英語がとんでもなく不得意でどうしようもなかったので、悩んで喜治先生に相談しに行ったら「じゃあ君は数的推理ができるから、英語はひとまずおこう」と言われたので、単純な私は英語の勉強をやめました。
この決断は後々とても有効でした。なぜなら教養試験は時間が少ないのです。ですから試験中に英語を生半可にやっていたら数的推理を解く時間がなく、試験に落ちていたと思います。
●4月〜試験本番
試験が近いということもあり、気合を入れて勉強しました。学校にはあまり行かず、早稲田の図書館にこもって勉強していました。
最初は一人で黙々と勉強していたので鬱状態になることもしばしばでしたが、途中から中学からの友人が教員の試験を受けるとのことなので、これはちょうどいいということで一緒に勉強することにしました。
教員の試験と公務員の試験は教養がほとんど同じなので、勉強に飽きた時には問題を出し合ったりして勉強することもありました。おかげで日本史、文学作品などマニアックになりました。その他の友人も内定や留年が決まって、図書館に遊びに来てくれたり、ご飯に連れて行ってくれたりしました。一週間に一回は飲みに行きました。おかげで毎日比較的楽しかったと思います。
模試の結果も段々と良くなってきて、埼玉県志望者の中の順位は300位くらいになりました。このくらいで勉強したらいいのかなと思い、胸を撫で下ろしていたところ、埼玉県の募集人数が30人程度だと発表がありました。去年は150人くらい採っていたので、とても厳しくなりました。
かなりショックを受けてしまい、「これじゃあ受かんないよ。なんで30人なんだよ。やってられるかよ」とかなり落ち込みましたが、塾や周りの人々の暖かい励ましもあり、埼玉以外を第一志望にするつもりがなかったので勉強をもっとすることにしました。
ですからそれからは朝10時〜夜10時まで、食事の時間以外はノンストップで勉強していました。こんなに勉強したことがなかったので、かなりストレスがたまってしまうこともあり、そのストレス解消のために一日中友達と遊びまくったり、終電がなくなった後までも飲んだりした時もありました。
●専門科目の勉強
だいたいの科目のおおよそは分かってきたので、喜冶塾のレジュメの問題を3回くらい繰り返し、問題集(主に『スーパー過去問ゼミ』)を解いていきました。
問題集は比較的楽しいですが、そればかりやっていると応用問題が解けなくなってしまうこともあるような気がするので、レジュメを何回も見直す勉強も取り入れたほうがいいと思います。そうすれば、なぜか見たことのないような問題が時々勘で解けるようになります。
●教養科目の勉強
基礎的な知識は身についてきたのですが、まだまだ知らない知識はたくさんあり、基本的な問題しか解けませんでした。しかしあきらめず最後まで貪欲に英語以外、いろいろなことを覚えていきました。『高速マスター』を主に使っていたのですが、最終的には単語ばかり覚えてしまった感があるので、もっと解説してくれている本を買えば良かったとも思っています。
●論文対策
試験2週間くらい前まで、あまり書きませんでしたが電車の中でレジュメをずっと見ていました。見ているだけでも段々といろいろな考えがまとまっていきます。
※実は問題集は買いすぎてしまって手をつけていない箇所が何箇所もありました。しかし喜治塾のレジュメをしっかりと理解していれば分かる問題はわかるので、問題集をたくさんやっていなくとも問題ないと思います。
また、一つの問題、一つの解法パターンにしがみついている人を時々見かけるのですが、時間の無駄だと思います。「ある程度考えてわからなかったらあきらめる」これは公務員の試験勉強のうえで欠かせないと思います。
●埼玉県試験に向けて
6月下旬の埼玉県上級職員試験にむけて、2週間くらい前から埼玉県対策に切り替えました。
○10時〜12時
論文対策(喜治塾のレジュメを覚える)
○12時〜1時半
教養試験対策(教養試験が500問のっている問題集を40問くらい解く)
○1時半〜2時
昼ごはん
○2時〜4時
専門試験対策(専門試験が500問のっている問題集を40問くらい解く)
○ 4時〜7時
理解が怪しいところをレジュメでチェック
○7時〜7時半
晩ごはん
○7時半〜10時
気分にあわせていろいろ
といったスケジュールで毎日過ごしました。特に埼玉県は経済が難しいのが鍵だということなので、経済に時間を多く割きました。
しかし本番では経済が難しく、また苦手の英語は問題数が増えている状況でした。
「これは落ちてしまったなあ、参ったなあ」と思ってかなり落ち込んでいましたが、受かりました。五択の神様のおかげ、ではなくて、前述したとおり基礎をおさえておけば五択の正解率は飛躍的にあがると思います。運もありますが、あきらめずしっかり勉強することが本番の精神的な落ち着き、正解率につながるのではないのでしょうか。
●面接対策
面接の試験はやったことがなかったので、たいへん不安でした。まず自分がどういう人間か把握できていなかったので自己分析、自分史を考えていくことからはじめました。今まで取り組んできたことを思い起こすことで、どのようなことに興味を持ち、どのようなことに公務員になったら取り組みたいのかが、だんだんと分かってきました。
私にとっては、文化がキーワードでした。文化を面接の話の中心におくように意識すると、私の場合は楽に面接を受けることができました。
●さいごに
私のような者が公務員試験に受かることができたのは、精神的に辛い時に支えてくれた多くの友人、家族、塾の先生、スタッフのおかげだと思います。感謝してもしきれません。その感謝の気持ちを行政にぶつけて、一流の公務員になれたらと思います。