喜治塾新聞74号(2004年10月11日発行) | |
特集【2004年度公務員試験 私の合格法(5)】 ●都庁 I 類・国家II種合格 ----------------------------------------------------------------------- 2003年7月生 関根有理さん |
念願の都庁合格! 択一/論文/面接の対策法
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■はじめに
私は、大学で教育と関わりを持つ機会が多かったため、教育行政に興味を持ち、公務員を目指すことにしました。しかし、法律や政治、経済などを学んだことがないため独学では無理だと思い、塾に通うことにしました。 塾選びには、喜治塾のほかに2つの予備校を見学に行きましたが、(1)体験受講をしてみて、初心者の私でも大丈夫だと思えたこと、(2)学校の授業との両立が可能であり、万が一休んでしまってもビデオを無料で見られるので,安心して続けられると思ったこと、(3)そして何より、すでに喜治塾に通っていた友達が「アットホームでいい塾だ」と勧めてくれたことから、喜治塾で勉強することになりました。
■学習法について
<択一対策>
●7月〜1月
基礎固めの時期であるこの期間は、授業に出席し、翌週の授業までにテキストの内容を理解し、覚え、塾から配られた問題を解く、これを繰り返しました。その際、次の2点を心掛けました。
(1) 授業中に先生が話している内容をすべて実況中継のように書き取ること。
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常に手を動かしているので眠くなることはありませんし、復習の時に内容を忘れていてもすぐに頭の中で再現することができたので、効果的でした。
(2) 直前期に見直せるテキストを作ること。
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重要な人名や単語をあとで確認できるように、授業中または一回目の復習の時にチェックペンで隠しながら覚えていきました。また、問題を解く中で出てきた新しい知識をテキストの余白に書き込み、重要語句はチェックシートで消える色で書いておきました。そのため、直前期にもチェックシートを使って、ムラなく復習することができました。
先生からは、「憲法は年明けまでに、問題集を2回、六法通読を1回まわすように」と言われていましたが、教職課程をとっていた私にとって、大学の試験が終わる1月末まで、授業の復習だけで精一杯でした。
●2月
大学の試験も終わり、公務員試験の勉強に集中できるようになりました。
本試験での教養科目は午前中に行われるので午前中に勉強したほうがよいということや、知能系は毎日少しずつ継続したほうがよいということを、先輩から聞いていたため、2月からは、午前中に塾の自習室に入り、数的・判断・資料解釈、現代文、英文を、30分ずつくらいを目安に毎日続けました。
数的・判断は塾で配られたプリントで繰り返し基本パターンを学び、資料解釈は『資料解釈 天空のパラダイム』という参考書を1単元ずつ進めていきました(資料解釈は最初さっぱりわかりませんでしたが、2回まわした頃には得意になっていました)。現代文と英文は、塾の本棚にある『地方上級 教養試験問題集』を1題ずつ解いていきました。
午後には、授業の復習に加え、専門科目の復習に取り掛かりました。しかし、この時点で1回もまわせている科目はなく、また復習したはずのところもすっかり忘れているという有り様でした。
そこでまず、憲法と民法、そして行政法を2月中に1回まわすことを目標に、チェックペンでチェックされた用語を覚え直しながら、問題を解いて確認していきました。
この時期、模試を受け始める友達もいましたが、基本が定着していない段階で受けても意味がないと思い、焦る気持ちをエネルギーに変えて少しでも前に進めるようにしました。
●3月
3月半ば頃まで民法の復習に費やし、3月中旬から経済原論の覚え直しに取り掛かりました。
私は経済原論が大の苦手でした。塾では、専門記述試験のために理論も説明されていますが、択一の問題を解くだけなら、理論を理解しなくても、重要事項と問題の解法パターンを覚えていれば充分得点できるとのアドバイスをいただき、『スーパー過去問ゼミ』を参考にして、基本事項と解き方をおさえることにしました。
基本的に喜治塾のテキストはよくまとまっているので、改めてノートを作ったりせずにすみましたが、苦手な経済だけは、ノートに重要事項と解き方をまとめ、何度も見直せるようにしました。
●4月
直前総仕上げの講座が始まり、やっと気持ちが引き締まってきました(とはいえ、サークルの飲み会や大学の友達からの食事の誘いには喜んで参加していました。ちょうどよい息抜きになりましたし、友達も就活を頑張っていたのでよい刺激になりました)。
総仕上げの講座の中で、先生が、残りの日数でやらなくてはならないことをリストアップし、優先順位をつけなさいというご指導をしてくださいました。そこで、私はまだ一度も通して復習できていない政治学、行政学、社会学、経営学の行政系科目を一度さらうことを第一優先事項と決めました。
そして、これまで通り午前中には教養を、13時〜14時は直前総仕上げの講座に出席し、14時〜15時は直前講座の復習と配布プリントをやり、15時から17時は経済、1時間休憩して、そのあと行政系科目を2科目ずつ進めるという計画を立て、実行していきました。経営学は塾から配られた『スーパー過去問ゼミ』の問題が難しかったので、問題は解かず、重要事項だけをおさえていきました。
試験科目を一通りさらうことができたのは5月に入ってからでした。この頃から自分が受験する職種別の模試を1回ずつ受けました。
●5月
2月にやった憲法などをまた忘れかけていることがわかり、「1科目1時間」と時間を区切ってテキストを中心に復習しました。チェックシートを使ってテキストの重要事項を確認し、残りの時間で塾の問題を解きました。 一度は解いてあった問題ですし、問題で得た新事項をテキストにメモしてあったので、時間内に終わらなかった問題は潔く見捨てました。1科目1時間と時間制限をつけることで集中して勉強できましたし、より多くの科目をさらうことでメリハリをつけることもできたので、飽きることはありませんでした。
●6月
東京都T類の一次試験(5月16日)が終わったので、国IIに照準を合わせて勉強を進めました。今度は、先に問題を解いてからテキストで確認するというパターンで用意している科目を一通りさらいました。
<専門記述対策>
塾では憲法のプリントがたくさん配られますが、ただ闇雲に覚えようとすると確実に飽きます。そこで、憲法のレジュメを見直し、できれば問題も解いてから、記述プリントを覚えるというようにしました。択一試験の勉強にもなりますし、整理しやすかったです。 また、予備として、政治学と行政学はテキストに書かれていた定義を覚えていきました。
本番では、憲法では上手く書けそうになかったので、政治学を選択しました。記述対策の授業で、定義↓本題↓補足(時事的話題等)という構成を教わっていましたし、テキストを中心に勉強していたため内容がムラなく頭に入っていたので、臨機応変な対応をすることができました。
<教養論文対策>
東京都 I 類合格の鍵を握っているのが、専門記述とこの教養論文試験です。しかし私はあまり論文が得意ではないうえに、新聞を読む習慣もなく、択一の勉強に追われて新聞を読むことはできませんでした(もちろん読んだ方がよいです)。
そんな私が東京都 I 類を上位で合格することができたのは、国語道場に毎回出ていたということがアドバンテージになったのではないかと思います。
文章を書くことに少しずつ慣れていきましたし、本試験では道場で扱った論題と類似している課題が出題されたため、どういう方向性で書いたらよいかという方針がすぐに固まり、時間一杯思いの丈を述べることができました。
また、新聞は読みませんでしたが、広報には目を通すようにしていました。広報は月に1回発行される程度ですし、すぐに読めるので負担になりません。そのうえ、論文に使えそうなネタが満載です。その自治体が抱える課題などがテーマとして出題されるケースが多いようなので、それに対する自治体の政策なり大まかな姿勢などを把握しておくとよりよい論文を書けると思います。
<面接対策>
日頃から塾に着いた時と帰る時には、先生方や事務の方に笑顔で挨拶をするように心掛けていました。この習慣のおかげで、面接官の方にも自然な笑顔で話すことができました。 準備としては、大学時代にやってきたことを一つひとつ説明できるように、ノートにまとめていきました。また、昨年東京都を受験された先輩にお話を伺ったり、先生に模擬面接をしていただいたりもしました。
<官庁訪問>
自分の志望動機を突き詰めて考えた結果、「次世代育成にふさわしい環境づくりをしたい」という答えにたどり着いたので、国家II種の官庁訪問では、それに関連する東京税関、文部科学省、厚生労働省をまわりました。
東京税関は「早めの行動が吉」と聞いていたので、一次試験の翌日に説明会の予約を入れました。文部科学省へは一次試験の合格発表当日の朝に直行し、そのあと厚生労働省へ行きました。
東京都の面接のためにある程度の準備をしてあったので、新たに準備したことはありませんでしたが、うまく答えられなかった質問に対しては、次に聞かれた時にちゃんと答えられるようにノートに書き加えていきました。また、連日のように面接の予約が入るので優先順位をつけるようにしました。
文部科学省は幼いころからの憧れだったので、思いがけず最終面接まで残していただけた時には、とても心が揺らぎました。人事のお兄さんも素敵でしたし(笑)。しかし、最終面接の3日前に第一希望である東京都の合格がわかっていたので、最終面接後の意向調査でその旨を伝え、私の官庁訪問は終了となりました。
■最後に
勉強を始めた頃は、東京都 I 類など私には絶対に受かるわけがないと思っていました。しかし、最後には、どうしても都庁に行きたいという気持ちになっていたので、最終合格を知ったときには本当に嬉しかったです。
この1年間、体力的に辛くて栄養ドリンクを飲みながら授業に出たこともありました。モチベーションが上がらなかったり、朝起きられず思うように勉強が進まなかったりしてクヨクヨしたこともありました。
東京都の一回目の面接前には、極度の緊張と不安から挫折してしまいそうにもなりました。でも、最後まで頑張ることができたのは、喜治塾の先生方や事務の方々、友人、先輩方、家族が支えてくれたからだと思います。これからも、この気持ちを忘れず、恩返しできるよう東京都の職員として頑張っていきたいと思います。