喜治塾通信(2005年10月16日アップ)
 合格体験談【2005年度(5)】
  ●家庭裁判所調査官補合格
-----------------------------------------------------------------------
                             
 2005年4月生 U・Mさん

■家庭裁判所調査官をめざしたきっかけ

 大学2年生の時、偶然親族法のゼミに入り、家族の問題や少年事件といったものに興味を持ち、それと同時にその問題に携わる職業に魅力を感じていました。人の話を聞くのが苦にならず、中立にものをみらっれるところが、自分には調査官という職業がむいているのではないかと考えました。

■併願など勉強の指針

 家庭裁判所調査官補の試験は受かることが難しい事と、他の公務員試験と併願が難しいということを聞いていたので、勉強を始めた当初から併願対策として単眼の人より地上・国Uむけの勉強をしていました。私は家庭裁判所調査官の専門科目を社会学選択にしていたので、3〜4つ行政系の科目(行政法・行政学・政治学・経済原論)を勉強しました。ただ、その中でも自分が何を目指しているのかを常に考えながら第1志望はあくまでも家裁調査官なので、比重をあまりかけないようにして、バランスを取っていました。調査官の勉強(憲法・民法・刑法・社会学)と他の専門試験(行政法・行政学・政治学・経済原論)は7対3くらいだったと思います。直前期はほぼ家裁調査官の勉強をしていました。

■スケジュール

時期   力を入れた科目
2004年4月 家裁調査官補試験の勉強を始める(4月B生でした) 憲法 数的処理
     6月     あまりやる気がでない。サークルに打ち込む。 民法 一般知能
     8月     教養対策に力を入れる 一般知能(特に世界史・日本史)文章理解
     9月       裁判所刑法
     10月     教養力診断模試を2週間ごとに受ける 社会学
     11月     裁判所セミナーに参加する  
     12月     サークルの忙しい時期なので、あまり勉強できない  
2005年1月     大学の試験勉強で忙しい。専門記述対策講座が始まる 憲法 民法 刑法
     2月     就職活動を始める。専門に力を入れ始める(記述対策用の勉強に転換) 憲法 民法 刑法 社会学 行政系科目
     3月     本格的に勉強時間を増やす。法律科目は論点の洗い出し 行政系科目の割合を減らす(家裁の科目が重点的)
     4月     オール模試  
     5月     公務員試験が始まる 15日 1次試験 1次対策のまとめ 憲法 民法 刑法
     6月    

7日  1次合格発表                                

11日 2次試験(論文)

15日 2次試験(面接)

30日 合格発表

2次対策(論文)

11日以降、面接対策

■勉強方法

〔教養/択一〕

教養試験では一般知能と人文科学を得点源にしていました。一般知能は得意だったので軽めにやり、人文科学は夏休み・冬休みに集中して覚えこみました。自然科学は高校時代にやったことを思い出す程度に勉強して直前に見直しました。

★一般知能

数的処理、文書理解、判断推理のどれかは必ず1日1回は時間を決めて取り組みました。数的処理、判断推理は得意だったので文章理解に力を入れました。英語は少し苦手意識があったので『速読速聴・英単語』を一時期毎日読んでいました。 

★自然科学

高校の時に使用していた教科書を読み、大切な公式などノートに書き出しました。得点源にするつもりがなかったので、国Uの過去問を解いたり、模試の復習をして、一通りの範囲を見ました。

★人文科学

覚えることが得意だったので得点源にしようと思い、世界史も日本史も一通りやりました(日本史は大学受験でやった)。家裁では地理は出ないのでやっていません。模試の復習も重点的にやりました。思想・文学・芸術はもともと好きなので楽しみながら直前に覚えました。

〔教養/論文〕

毎日、新聞(朝日と日経)を読んで、気になる記事はスクラップしていました。また、人に伝わる文章を書くように心がけ、天声人語(朝日新聞)はよく読んでいました(よい文章をたくさん読むと文章が上手くなると聞いたため)。

〔専門〕

★法律学

始めはどう取り組んでよいか分からず、法律も択一対策ばかりをやっており(地上・国Uの過去問を解いていた)記述対策を始めたのは1月からです。ただ、択一は完璧にしていたため、判例や論点はある程度は身についていたようです。1月からは記述対策として定義、論点、判例、通説、理由づけを覚えることに集中しました。憲法と刑法の論点に関しては市販されている他校の問題集の「論点カード」を覚えることに集中しました。民法は自主ゼミで取り扱ったものを中心に勉強し、実際に過去問を解いて先生に添削していただきました。1次対策も2次対策も分けてやる、というよりは一連の流れの中で身につけていきました。

★社会学

初学者だったので、大学の講義も鳥用にして社会学と触れ合う時間を増やすようにしました。基本書を読みながら一冊のノートにまとめ、知らない単語に出会ったら辞典で引いて定義を書き写すようにしました。模試の時の問題、模範解答などもそのノートに貼ったので、自分の知識をそのノートに集約することができました。直前の見直し期に焦らず復習できたのも、ノートを作ったおかげだと思います。

〔面接〕

1次試験の合格発表→論文試験→面接だったので、面接対策ができたのは4日間くらいでした。模擬面接で指摘されたこと、面接カードに書く内容はひとつのノートにまとめて、自分の事を分析してみました。面接カードに書いたことは複数の人に見てもらい、何度も添削しました。就職活動を少ししていたこともあり、自分のことをみつめることは多少できていたと思います。実際の面接では聞かれたことは志望動機、普段の生活、大学生活で心に残った事、パーソナリティーの偏った人と上手く接することができるか、などを聞かれました。奇抜な質問はなく、私の事をよく知ろうとしてくれるということが伝わってきたので、私もリラックスして話すことができました。

★その他

勉強してきた1年を振り返って、私が合格でいた理由を考えると、@調査官になりたいという気持ちを持ち続けたことA継続的に勉強を続けたことB同じ目的を持つ友達が近くにいたことの3つが大きかったのではないかと思います。途中、周りが就職活動を始め、不安になった時期もありましたが、1月から家裁の記述対策が始まり、同じ目標を持っている友人に出会えた事で、また、強い気持ちをもって勉強をすることができました。また、11月に裁判所が主催するセミナーに赴き、実際の家裁調査官の方とお話することで、モチベーションを高めることができました。私は大学2年生のときに東京家裁のセミナーに行ったので、3年生の時は、現在住んでいる千葉家裁のセミナーに行きました。私の場合、自分の勉強スタイルを確立するのが一番大変だったと思います。波ににってしまえばやる気も沸いてきます。家裁調査官はとりわけ情報が少なく、不安になりがちですが、家裁のセミナーや周囲の方から情報を集めて根気強く勉強してほしいです。

これからの受験生活はとても大変だと思います。ただ、こうして勉強できるのも周りの家族や友人、また力になってくれる先生方のおかげだと思います。あまりマイナスに考えず、視点を変えて頑張ってほしいです。私は試験に合格することができ、まわりの方々かに感謝するとともに、来年から調査官として働けることを非常に楽しみにしています。皆さんも合格目指して頑張ってください!